海外出張で喜ばれるお土産5選

はじめに

海外出張でどんなお土産をもっていったら喜ばれるか、頭を悩まされた方も多いかと思います。

今はコロナでオンライン中心、海外出張は当面延期という会社も多いかと思いますが、いずれ海外との往来が回復する日が来るでしょう。

そんな出張族の方を対象に、失敗しないお土産選び、お土産でライバルとの差をつけ、ビジネス・パートナーとの円滑なコミュニケーションを確立する方法をご紹介できればと思っています。

ところで、本題に入る前にエピソードを一つ。

昔々の話です。アフリカ大陸に駐在していた20代の頃、お土産として遠く日本から生のホッケ(冷凍ではなく冷蔵です)を空輸してくれた人がいました。

正直、ホッケは好きじゃなかったけれども、その人の気配りや相手を思いやる気持ちはダイレクトに伝わってきましたし、何よりもその人が太っ腹の大物で、へき地で働く人の気持ちが分かる人物だと感じました。

かれこれ20年以上前の話ですが、発砲スチロールの箱を開けて鮮度の良い冷蔵のホッケを見つけた時のことを、まるで昨日のことのように鮮明に思い出します。

それくらい鮮烈で印象深い出来事だったということですが、こんな風にお土産の選び方ひとつで、相手に自分を強く印象付けられる、そんなケースもあるという一例です。

「たかがお土産、されどお土産」、ぜひ手土産にちょっとした手間をかけて、本業を円滑に進めるための手立てとしていただければと思います。

お土産選びの基本スタンス

まず、手土産を選ぶときに、私が頭の片隅に置いていることをご紹介します。

現地では手に入らない「食べ物」を選ぶ。

今は北米やアジアを中心に、日本食や日本食材の知名度は高く、大都市のみならず地方都市でも日本食材を扱うお店が進出していると思います。

国、都市により、在留邦人の多寡により、その差はかなり大きいかとは思いますが、お金さえ出せば大抵の日本食材が手に入る、そんな環境にある駐在員や海外生活のビジネスマンの方も多いのではないでしょうか。

そこで重要なのは、現地ではお金を出しても入手できないし、日本から郵送してもらうことも技術的に難しいようなものをお土産に選ぶことです。

「希少性」、これがキーワードになるかもしれません。

特に、手土産であれば、ずっと残ってしまうものよりは、食べたり飲んだりすることで消えてしまうような、でも、入手が難しい、そういったものを選ばれるのがよろしいかと思います。

日本では身近にあり簡単に手に入るものだが、海外にいると意外と入手困難なものは数多くあります。

出張先の都市で働く自社の駐在員やビジネス上のパートナーなどに、日ごろから何気なく取材されることで、どんなものが現地で手に入り、手に入らないのかを確認されるとよいでしょう。

もしくは、現地の情報を発信している方のブログなども、現地の日本食材事情を調べるうえで大変有益です。

「重い、日持ちしない、保存が難しい」食べ物を選ぶ。

それでは、どのような「食べ物」を選ぶのがよいのでしょうか。

現地では入手が困難であることを確認したうえで、選択において重視すべきは、「重く、日持ちせず、保存が難しい」ものを選ぶことです。

お土産を運ぶ側の都合だけを考えたら、「軽くて、日持ちして、保存が簡単」なものがよいに決まっています。

実際、空港の免税店や売店では、このような基準にあった手土産がたくさん販売されています。

たとえば、和三盆やえびせんべい、お茶や海苔などがその代表例で、確かに運ぶのは簡単だし、いかにも日本からのお土産といった雰囲気です。

ただ、これらのものを受け取ると、まず感じるのは、お土産を運ぶ側の都合や理屈であり、形ばかりのお土産を持ってきたんだなという雰囲気が出てしまう可能性があります(※ここで例としてあげた商品をディスるつもりはまったくありません。いずれも優れた商品ですが、お土産としての印象が薄いということを伝えたいだけです。)。

もちろん、お土産は気持ちの問題であり、いただきものに対してごちゃごちゃ言うこと自体が非常識ではあるのですが、せっかくお土産を持参しても、こうやって相手に含みを持たせてしまっては、せっかくの努力が台無しになってしまいます。

逆に、「重く、日持ちせず、保存が難しい」食べ物を運んできてくれた方に対しては、それがどれだけ大変なことか海外駐在者なら身に沁みてわかるだけに、感謝の気持ちも大きくなります。

受け取る側のことを考えたお土産選びができる人は、本業のビジネスでもクライアントのことを第一に、少なくともお互いにウィンウィンの関係を構築すべく最善を尽くしてくれる方が多いと感じます。

たかがお土産ではありますが、そこにはその人の人格や価値観、気配りの気持ちなど、すべてが現れることもあり、決しておろそかにできない重要なポイントとなります。

家族の存在を認識する。

相手を思いやるとか、気配りという話につながりますが、お土産を渡す本人だけでなく、その後ろにある家族の存在にまで気を配れると、さらにお土産の効果を高めることになります。

特に、途上国に駐在している在留邦人の方にお土産を持参される場合など、そのご家族、多くは奥様(ご主人)やお子さんは、ストレスの高い現地生活を送っていらっしゃるケースも多いかと思います。

現地の食事は口に合わず、さりとて高価な日本食の外食ばかりというわけにもいかず、という環境の中で、ご家族にまでお土産を届けることができれば、その効果はたいそう大きなものとなるでしょう。

例えば、奥様を主たるターゲットに、百貨店で購入した名店の饅頭などの和菓子を渡したり、小さなお子さんがいらっしゃる場合には、お菓子や人気キャラクターの提携した菓子類を贈るなど、家族の存在まで考えた品物選びができるとさらに望ましいかと思います。

海外出張で喜ばれるお土産5選

理屈は分かったけど、それで具体的には何を持っていけばいいの、という素朴な疑問を持たれた方も多いかと思います。

どこにいる誰に持っていくのかにより、お土産選びは大きく異なりますが、ここでは、欧州やアフリカに家族で駐在している方に持っていくなら、という前提で、いくつかアイデアをお伝えします。

ご飯のお供(サケフレークなど)

海外にいても普段の家庭での食事は、お米を食べるという方が大多数かと想像します。

欧州でもロンドンやパリにいれば、アジアや北米とは比較にはなりませんが、それなりに日本食材店が充実していて、お米のご飯に合わせるものも調達できるかもしれません。

ただ、それらの多くは、長期保存を前提としたもの(日本では非常食メニューに入りそうな強い味付けのもの)だったり、乾燥させたものだったりして、やはり日本にいるときと同じようにはなりません。

私はそんなとき、サケフレークやイクラの醤油漬け、イカの塩辛、辛子高菜など、冷蔵状態で運ぶ必要があるものを選んでお届けしていました。

これであれば、家族で夕ご飯を囲むときに一緒に食べることができますし、海外の日本食材店で入手することは相当に難しいか、入手できてもかなりの高額になるものがほとんどだからです。

ちょっと変化球になりますが、柚子胡椒なども外国では手に入らない地域も多いので、気が利くと感謝されること間違いなしです。

海外にいると、饂飩など日本の麺類が無性に食べたくなることがありますし、乾麺を持参される方も多いかと思います(大都市の日本食材店なら冷凍うどんが調達できますね。)。そんなとき、柚子胡椒があると、グッと祖国の味が再現された嬉しいものです。

以下にいくつかリンクを張っておきますので、気になる方はぜひ確認してみてください。

これらの商品は、要冷蔵品であるためか瓶詰が多く、特に百貨店などで調達できる高級品になると瓶詰の比率が一段と高まります。

とはいえ、商品を選べば袋詰めのものも調達可能ですので、そういうものを中心に以下にご紹介させていただきます。

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持ち運びの便利さを考えると、加島屋の袋詰めが便利です。

定番でいくなら、サケ茶漬けといくら醬油漬けのセットが安定感は抜群です。

柚子胡椒と言えば、これが一押しです。

いかの塩辛は、いろいろ食べましたが、やはり加島屋のものが一番安定しています。

https://www.kashimaya.com/items/dtl100.aspx?p_cd=30701

高菜は、いろいろあるのでそれぞれのお好みをお選びください。

明太子

ご飯のお供の一類型ですが、明太子だけは別扱いとさせていただきました。

明太子も要冷蔵品であり、遠隔地まで運ぶためにはそれなりの工夫が必要です。

ただ、最近では空港の免税店でも取り扱うところが増えましたし、何より嬉しいのは、箱が小さく、かつ、軽いことです。しかも、ほとんどの場合外装箱は紙とプラスチックで構成されており、ガラス瓶を運ぶ苦痛からも解放されます。

私は都内の百貨店や福岡県のアンテナショップなどで、離日直前に大量の明太子を調達し、保冷バックに保冷剤とともに詰めたうえで、預入荷物に入れて運んでいました。飛行中スーツケースはキンキンに冷えていますので、冷蔵庫代わりには最適です。

以下、単なる私の好みですが、いくつかご紹介させていただきます。

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実際に買うのは、2腹入りの1,000円程度のものが多いですが、ここでは一例として下記を張り付けておきます。

和菓子(特に、どらやき)

お土産の王道と言えば、やはり和菓子だと思います。

特に、饅頭や羊羹といったアイテムは、外国に住んでいると無性に食べたくなるものでもありますので、お土産としても人気があり、相手に良い印象を残せることは間違いありません。

和菓子の問題は、有名で美味しいと評価が高いものほど日持ちしないこと、そして、餡子がベースになっている商品が多いこともあり、重量があり重いことです。

特に、中身がぎっしりと詰まった羊羹は、たくさん買うとかなりの重量になります(もっとも、羊羹については、日持ちするというメリットもあります)。

ただ、お土産を進呈するお相手本人のみならず、ご家族、特に奥様からもたいそう喜ばれること間違いありません。

それゆえに、上記の課題を踏まえても、お土産として選択する価値は十二分にありますので、ぜひ有効に活用していただければと思います。

ただ、和菓子は商品数も多く、品選びに苦労するかもしれません。

そんなときは、次のような観点を基準に選択されてはどうでしょうか。

第一は「流行り」です。定番商品が多い印象の和菓子にも当然のことながら、流行り廃りがあります。百貨店の広報誌やグルメ番組・雑誌などを日ごろからウオッチしておければ、何がはやりの商品かわかるかと思います。

東京で今一番流行っているお店の和菓子なんですよ、という一言とともに贈ることができたら、かなりのアドバンテージになりますよね。

第二はお土産を贈られる方の「出身地」です。百貨店が取り扱っている有名和菓子は、日本全国の有名店からの商品ですので、出身地の名産品をうまく見つけて、地元の和菓子です、とお届けできると会話のきっかけにもなるかもしれません。

第三は「限定」です。自分も含めて日本人は、●●限りとか、△△限定とか、そういうプレミアの付いた商品にとても弱い国民性だと思います。

そこで、●●百貨店限定商品とか、△△空港免税店のみのスペシャルパッケージとか、そういうプレミアものを選んでおくと、プラスアルファの付加価値になるかもしれません。

それでは、オススメの和菓子のいくつかについてご紹介します。

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たねやのどらやきは、1週間程度持ちますし、大きさも食べ応えもよい感じで、喜ばれることが多いです。

持ち運びの便利さと知名度でいくと、山田屋まんじゅうも良いかもしれませんね。

京都の仙太郎も有名ですね。

とらやは大御所ですね。

カステラ(福砂屋)

家族をターゲットにしたお菓子ということであれば、子供にも食べやすいカステラが最適だと思います。

もちろん、他の洋菓子でも全く構わないのですが、例えば、欧州など出張先によっては、洋菓子の本場へ和製の洋菓子風のものを持っていくことの効果には疑問なしとしません。

その点、カステラは洋菓子の風味を持ちつつも、その存在自体が日本を思い出させてくれるという、和菓子の要素も持っていて、お土産にするには最高の品物だと思います。

カステラも多くのメーカーがしのぎを削る競争の激しい世界ですが、お土産にするなら、百貨店で必ず見かける「福砂屋」のカステラを購入するのが安心です。

お土産としてのインパクトを考えれば、一人に一本ずつ進呈することが望まれますが、対象者が多いとか、他のお土産とコラボさせるという観点から、「福砂屋」が出している小型のパッケージを活用されると、費用対効果の観点からお得かもしれませんね。

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福砂屋のカステラと言えば、0.6号が基本ですね。これを一本渡すと、それなりにインパクトがあるかと思います。

フクサヤキューブは、バラマキ用のお土産としてとても便利ですね。

ラーメン

今や国民食とも言える地位を確立したラーメン、お土産としてももちろん人気です。

ラーメン類は何を持っていっても、それなりに感謝されますが、どうせお土産にするのであれば、乾麺やインスタント麺ではなく、生麵にすることをお勧めします。

北米やアジアであれば、日本から本格的なラーメン店が現地に進出しており、お土産のラーメンを待ち焦がれる必要はないかもしれませんが、他の地域ではラーメン的な麺類しかないところも多く、嵩張る生ラーメンをお届けしたら、喜ばれること間違いありません。

最近は外国人にもラーメン文化が浸透しつつあるためか、空港の免税店でも多種多様な生麵のギフトセットを購入することができます。

大量の調達するときは、ネットなどで購入し、調達単価を抑えつつ、預入荷物にするのが合理的です。

他方、それほどの量を必要としないなら、免税店で調達するのがお手軽ですし、時間の節約にもなるかもしれませんね。

ラーメンの好みは人により異なりますので、これがオススメというのは難しいですが、私が実際に海外で受け取って、調理して食べてみての観点から、下記の商品であれば自信をもってお勧めできるかと思います。ご参考にしてみてください。

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豚骨ラーメンですが、お土産として持ち運びも比較的便利ですし、何よりも美味しいですし、海外で本格的な豚骨ラーメンが食べられるなんて、夢のようです。

坂内も美味しいですね。都内の路面店にも定期的にお邪魔しています。

セットで購入して、小分けして配るのも良いかもしれませんね。

番外編

思いのほか長くなってしまったので、番外編の紹介は次回にしようと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は英語の話も、外国語の話も全然出てきませんでしたが、広く海外駐在や海外生活をアシストするという観点から、気づきの点を共有させていただきました。

最初にも書きましたが、「たかがお土産、されどお土産」だと思います。

「魂は細部に宿る」という言葉がありますが、お土産のようなその存在自体がマストではないものにどこまで気を配れるかは、その相手とのビジネス展開を考えたときに、実は多くのヒントを与えてくれるポイントになるかもしれません。

そういう観点から、今回のお土産話が、皆様のお役に少しでも立てばと思います。

実は番外編の方も結構重要ですので、ぜひ続きも楽しみにしてください。